Twilog 冥編(1)

冥について「おねえさんでもおにいさんでもある」とよく表現しているが、描くときのイメージは陽根の付いたおねえさん。

 

 

冥がひねくれてるのは生来なとこもあるけど、美鷂のせいな部分も大きい。 美鷂は、曝け出したおのれの悪を「あなたは優しい」という呪いの言葉で冥に全て受け止めさせた。 冥は「優しい」が嫌い。

 

 

男キャラまとめに冥を入れはするが、文章で説明しろと言われたら「おねえさん」と書く。

 

 

美鷂のベッドは麓の人間達が美鷂への感謝を込めて作ったもの。都から遠く離れた山奥に在って、ベッドで寝ていた名叢なんて、彼女のほかは王くらい。(王は幼体期だけ。)

 

 

いつか自ら手放すことを夢見ていたのに、先に死なれてそれすらできなくなって、声を思い出せなくなり、憎しみは薄れ、記憶の中で美化されていく美鷂に、冥はいよいよ手綱を握られてしまう。

 

 

王の顔面と体格がアンバランスなところ好きなんだよね。冥といた頃がいちばん顕著で良い。

 

 

冥のおやつコーナーの絵にピンクの花が付いたアクセサリーを描いたのですが、あれは美鷂のかんざしです。 #茶淹人之図鑑 19P

 

 

王が過去に出逢い別れてきたひとたちを懐古するページで、妃さんに対して「ここまで生き抜いたことを褒めて欲しい」と言っていて……私は冥が亡き美鷂に持っていた感情は、これに近いと思うんです。 王が冥の気持ちを理解できたのってずっと後なんですよね。 #茶淹人之図鑑 49P

 

 

冥は力(浮遊能力)をあまり使わないから、髪の毛にエネルギーが溜まりすぎてて毛先が浮いてきちゃう。自分の能力が自分の内にも影響してしまうのは、妃に幼体期がないこと、まりろん編の王が子供のままの見た目なことにも関係がある話。

 

 

冥は5歳頃までは宙に浮いているのが好きなやんちゃな子供だった。土を踏むようになったのは、新しく生まれた幼体者のそばにいるため。それが美鷂。そして美鷂を喪った冥は、谷底に隠棲する。

聖母が地に縛りつけた天使。

 

 

冥は昔に運命の女と死別し、王は未来で運命の相手と出逢う。どちらも恋愛関係とはちょっと違う。別々の運命の鎖に縛られる者たちの人生が、いっとき交差する。王と冥はそんな恋人同士。

 

 

歌(グゥ)は名叢のひとり。冥・美鷂と同世代。モチーフは岩茶の雀舌(じゃくぜつ)。若年期の妃さんに関係あるキャラクター。

 

 

死に際の冥を見下ろしていたのは、その場に生きている誰でもなく、瞼の裏の美鷂だった。冥は美鷂から一生逃れられなかった。そう望んだから。お互いの生き方に深く影響を与えたけれど、王と冥の恋愛は通過点で、冥の運命は間違いなく美鷂が握っていた。由璋がその紫電で王を捉えたように。

死んだ美鷂の種子を食らおうとした行為は、おそらく冥の人生でいちばん大きくて深い愛情表現だったと思う。憎しみも思慕も庇護欲もぜんぶ込みの。

 

 

王のワンレン外ハネヘアーは可愛いと思う。あと描きやすい。

 


山霊社会では恋愛と結婚と子作りは結び付いていない。

 

 

冥のこと大好きなひとに妬まれたり、冥のこと大嫌いなひとに貶されたり。どちらにせよ、目立つあるじのせいで目の敵にされることが多いであろうマルちゃん。特に前者がコワイ。

 

 

美鷂は王や妃と同じ、天啓を持って生まれてくる希少タイプ。冥と同世代だが、生命を維持できないほど力を使い果たし、早逝してしまった。

人間たちの中で神格化された彼女の存在は、王にとってはプレッシャーだった。

 

 

冥は最初に宣言したとおり、王とのセックスも愛してるも餌付けだ。王が王(おう)であるがゆえに持つ恒久的な寂しさを愛玩するため。どんな慰めも及ばないほどの孤独を、一時癒してあげる。それを繰り返す。冥の恋愛。

餌付けっていうと聞こえ悪いが、関係を維持するために相手の望むものを上手に、且つ継続的に与えているわけで。努力とも言える。冥を不誠実だとは思わない。良いひととも思わない。王にとっては理想だった。

王の幸福を心から願い、山霊王という呪縛から解放してやりたいと思ってしまった時、恋愛ごっこは終わった。

 

 

王は冥を姫をエスコートするように尽くしたいけど、それを全く必要としない相手であることは百も承知。仮に王がそういう、冥をか弱い女性?として扱うような、的外れな素振りをしようものなら、冥様は「ばかじゃねーの!」って大笑いすると思う。でも王が居た堪れなくなってるの見たら、「今のは、照れた。照れ隠し。悪かった。愛してる」っていいこいいこするに違いない。

冥はいじわるだけど嘘の使い方が巧くて、相手を嫌な気のままでは置かない。楽しませる自信あるんだろうな。幸せにする余裕はない。美鷂の死に取り憑かれた人生の、これ以上何も、誰にも捧げられない。

 

 

昔に書いた冥に関するメモが出てきて、あ〜〜冥だなって思った。一夜限りのつもりで遊んだ子からしつこくされたらどうやってトンズラするかっていうのを、マルちゃんに説明している。

 

 

冥は両性具有だけど、いずれの生殖器も完璧に持ち合わせているわけではない。機能するほうで判断するなら冥は男である。でも声質や身のこなしは女性的。一緒に育った美鷂からも女と認識されていた。本人は「どちらでもない」と思っている。

これ逆に、美鷂に女と認識されていたから女性的な身のこなしになった?とも考えてみたけど…名叢さん達は性別に無頓着なひとが多いので、美鷂も冥にそこまで何かを求めたイメージはないんだよな。女らしさではなく、「聖母の従者らしさ」には口うるさかったと思う。

 

 

百華は家に物がなさそうだ。

冥の家は散らかってるけど、本人はどこに何があるか把握してるので、王の家が散らかってるのとはまたタイプの違う話。掃除しようにも触るなと言われてマルは大変そう。

 

 

冥の胤を欲しがった娘は、冥の印に惹かれてしまった山霊。冥は手を出してる。胤を求められ、応えられなかった冥が関係自体を終わらせた…という設定だったりします、あの場面。「きみの子なら可愛いだろうけど、俺はこの世に自分の子供はいらねぇなぁ。悪く思わないでくれよ」…とかなんとか、言ったと思います。それは本心で。

 

 

美鷂は冥のファムファタル…ほんとそうです。うん。名叢たちは性別をあまり強調しないように描いてるけど、美鷂は女だと感じる。冥と美鷂の間に性的な関係性は全くないのでそういう意味ではないんだけど、「運命の女」っていう表現が似合うキャラクターにしたい。

美鷂は生涯純潔の聖母。シルクのヴェールを被って見下ろす、冥のファムファタル。

 

 

どんな冥を見ても最後までそばにいたのはマルちゃんだけです。そういうの好きです。

 

 

冥は王に「美鷂のように完璧になるな」とよく言っていて、それは、美鷂のような死に方をして欲しくないという意味だった。王は王(おう)らしくあることを求めてこない冥が大好きだったけど、同時にその恋心は複雑でもあった。

美鷂の存在は、冥の“誰も取って代わることを許さない聖域”なのだと気付く。冥自身はそれを指摘されると「わからない」と言った。美鷂を愛していたかも、崇めていたかも、憎んでいたかすらも、わからなくなったと答えた。

「わからない」という言葉は、冥の誠意だった。相手の望む返答で場をはぐらかし、実態を掴ませない。冥が好んで築く恋愛関係とはそういう、先のない軽薄なものだったはず。

最終的に冥が王に持っていた感情は百華と同じ類のもので、恋愛を愉しむ相手ではなくなった。冥には心の古傷を薄めるような安寧だったが、王がどう思うかは……

 

 

「冥が王の愛の形の原初を作ってる」というお言葉は、ほんとそうだと思います。王がロマンチストなのは、冥が王の甘ちゃんで愛に夢見てるところを何だかんだ言いつつも可愛いがっていた結果だし、王が受身の恋愛をするようになったのも冥と別れてからなので。

 

 

美鷂の「鷂」はハイタカ。モチーフである岩茶・半天腰は、原名を半天鷂と言い、ハイタカと宝石にまつわる伝説がもとになった名だそうです。その芳香は妖気に例えられ、半天妖とも書く(どの字も発音は同じ)。ハイタカが咥えた宝石を空から山の中腹へ落とす夢を見た。目覚めてそこを探してみると、美しい種があり、芽が出て茶樹になった…という感じのおはなし。好きだ。

 

 

冥は見越す力が冴えてるから、後々面倒臭いことになりそうなら最初から何もしないでいたいんだけど、基本的に他人と関わるのは好きなんだと思う。恋愛はままならない厄介なものだとわかってて、それでも誰かを繋ぎ止める餌が愛ならば、それっぽく見繕える。手離せなくなったら嫌だなぁと思いながら。

 

 

冥は基本的に優しくて好意には好意で返すけど、これ以上押しても手応えはないっていうラインがあって、そこまでなら割と誰にでもおいでおいでする。相手が踏み越えようとして来たら煙になってしまう誑し者。

 

 

冥が張るアンテナは、面白いか、面倒臭いか。でもいじらしい(=可愛い)ものには弱い。

 

 

美鷂はよく「冥ちゃんが〜したがるから」と言った。側付きの志願を断って冥に自分の世話をさせ、それを「立場が弱い幼馴染みを守るため」だと吹聴した。

どこにも行かないよ、そばにいてあげる、冥ちゃんを守ってあげるからね。

冥には「どこにも行かないで」「そばにいて」「わたしを守って」と聞こえた。

 

 

「体内にある種子が名叢たる証であり、これが損なわれれば力を失い、死ぬ。」皆そう教えられ、当たり前のように信じていた。冥は晩年、その種子を自ら体外に取り出した。それでも生きていられること、力を失わないことを、身を以て証明した。ならばこの種は、何のため…誰のために在る?
冥はこの“実験”で得た答えを、誰に伝えるでもなく、内に秘めたまま人生を終える。天啓に操られる多くの同胞を救う聖者になるつもりはなかった。その代わり、次世代のある人物を、種子を取り出す場に立ち合わせ、ありのままを見せることで真実を託した。ある人物とは、妃だ。

 種子を取り出すには、胴を深く裂かなければならない。外傷を治癒できる妃の能力が必要。
冥は、王と釣り合う能力者は妃しかおらず、いつか王と妃は番うことになるだろうと予測していた。妃が「見たもの」を未来でどう活かすか…それに賭けた。だから治癒だけに呼ぶのではなく、始終を見せたのである。

 冥は妃に何か大きなことをしろと期待したわけではなく、「王のことよろしくな」って気持ちだった。
(王は晩年の冥とは直接的な交流はない。とっくの昔に関係を解消しているから。王が振られた形で…)

 

 この件がなければ妃は、赤子に戻ってしまった王に対して、自分の死後もずっと正山で守られて暮らせば安心だと、思ったかも知れない。でもこの郷には「嘘」があることを、妃は遠い昔に冥から教えられた。だから命懸けで王の肉体を成長させ、山を降りて銀果の知恵を借りるよう促した。

 

マルは冥の死後、冥の種子を無断で谷底に埋めた(ほんとうは冥が生前自分で埋めている)ことを中央から糾弾され、正山を追放となる。王が必死に止めたが、「お嬢様がいない正山に未練はない」と去って行った。

大岩を砕く力を持つ者が、壊れそうに脆いものに優しく触れるのはそりゃあ、一大事と言うか。疲れるよね。産まれたばかりの王を抱っこした時の百華はそんな感じだったのか。オイシイ。

 

 

「どんな愛でも後悔するな」という冥の言葉が齟齬を来し、自分は美鷂の影として愛されたと、似た境遇の王が誤想するのも無理はない。ひとを動かす大きな感情は恋愛的に好きか否かの二極であろうと想像した稚い王は、冥が亡き幼馴染みに抱く複雑な想いを理解できなかった…と言うかどのみち嫉妬。

 

 

おのれの天命を生き抜いた美鷂。冥にだけは攻撃的な一面を見せていた。聖者として振る舞うために殺した“人間味”、天啓の力の受け皿として耐えなければならなかった身体的苦痛、それらをいなす捌け口が冥だった。美鷂は冥にしか甘えることができず、冥はそんな彼女の叫びを全て受け止めていた。

時を経て、美鷂が出自の苦痛や忍耐を上手くおのれの一部にした時は、どう報復してやろーかなと、続く未来を見つめていたのに。あっけなく逝った。冥は美鷂と対話しなかったことを悔やんで、自分の魂に傷を残していった彼女を恨み切ることもできずにいる。谷底でひとり、その死の真相を追い求めている。

 

このふたりの関係性は、王と銀果のそれと対になっている。銀果も苦悩を内に秘めながら、死ぬまで王に尽くし続けた「誰よりも優しい友」。優しさはつまらないものではなく、他に能のない者の処世術でもない。ひとの最大の美徳なのだということを、王は銀果の生き様に思うのである。

銀果の苦悩とは、王をただ友として、その人格やどんな生き方も肯定してあげたかったのに、それができなかった…と本人が思ってしまっていること。例え王がそれを否定しても、銀果には自責の念があった。これは由璋の死に関わりが深い話。

 

冥はひねくれてるから、王に美徳なんて言われたら嘲笑うかもな。「優しい奴はそれが鎧でつるぎなんだよ」って。

 

 

冥は百華と全然合わないんだけど、王のために彼を尊重し理解しようとする心があるのでオットナ〜なんだよな。(好き)

由璋は百華が嫌いだし、何なら誰が相手でも「僕は王にしか興味ない!他の奴は邪魔だ!」って癇癪起こす。(好き)

 

 

マルは冥のことしばらく女だと思っていたので「お嬢様」ってずっと呼んでる。王は性別に無頓着なので、「冥の胤が欲しいひと」の件で、冥が男であることに初めて気付いたが、同時に胸があることにも気付いて???となった。

 

出逢った頃は「お前」、途中から「君」と呼ぶようになる。 王が「君」を使うのは、他に妃さんと茉莉花がいる。何となく冥に対する認識がわかる。

冥は他者からどう捉えられようと興味がない。自分は自分のまま変わらないことと同じで、自分が他者を変えることも不可能なのだと知っているから。

自認としても曖昧なんだと思う。どっちでもある、というよりかは「どっちでもない」って感覚かも。
訊かれても困るから好きに捉えとけよ、とは言うものの、セクシャルな場面で女として扱われると拒絶しそうな…でも、それは冥が男役しかできないという意味じゃなくて、そこで拒絶反応ある相手とはそもそも性愛を育めないんじゃないか……?

 

 

冥の髪の毛は、長いところだけ毛先が強めに丸まって浮いている。微細ながら髪には力が宿っているので、長くしたぶんその蓄積で、冥の毛先はフワフワ浮いてきてしまう。普段は結って重りを付けている。(冥の能力は空中浮遊。)
名叢は力を貯めておく目的で長髪なひとが多い。王の人生一期の時代の人間(由璋)がみな長髪なのも似たような理由があって、人間も山霊も、髪を切ることには深い意味、強い意志があった。
王や妃の能力は一度に消費するパワーが膨大なため、生まれつき付いている耳飾りがより強力にその役割を担う。

 

 

王が生まれて初めて抱いたちょっと性的な探究心って、きっと「百華の口の中が見たい」だったに違いない。お世話係の娘たち(人間)に歯磨きを教わった時、他人の口の中に興味を持ったけど、誰かの、ではなく、百華の口の中…をどーしても見たくなって、執拗に見せろ見せろと。最終駄々こね怒り泣き。 幼王が泣いても絶対見せない百華、周りから大人げないと糾弾され、その場は逃げ切るも、あとでふたりきりになったらコッソリ見せる(こういうことするから王がつけあがるんだな)。

百華はけっこうシャイ…

 

 

王の左耳のフープピアスの元々の持ち主は冥で、紅衣が由璋の忘れ形見であったことと同じように、王にとっては大切なもの。王は愛したひとたちが遺したものに、断ち切れぬ記憶やぬくもりを感じて、苦しんで、そして救われている。

 

 

冥は弱い者に優しくてたくさんよしよししてくれる。でも他人を不安にさせるのが得意でもある。守ってくれる手があるならこわい思いをしてもいい、みたいな心理に陥らせるたちの悪い大人かも知れない。でも一応、優しさが先にある。そしてそれ言われるの嫌い。

 

 

百華は相性が悪いひとが多くてとてもおいしい。粗野だから風情を愛するインテリ勢には疎まれる。銀果は誰とでも仲良くなれるので例外。そして意外と馬が合うのが妃なんだよな。百華・銀果・妃には共通の意志があるから団結してるし、百華は付き合い浅いひとには色々と誤解されがち。

百華は声がでかいところが冥と由璋に嫌がられてる。由璋も声でかいけどな。

 

 

王は中性的な麗しさを持った成体になるだろうと多くの者が想像してた(それが理想だった)けど、百華は可愛さ絶頂の幼体期王を見て「こいつ足でけぇな…骨太だし俺みたいになるタイプだな」って常々思ってて、まぁだいたい合ってた。

 

 

百華……幼少期の戯言とはいえ、ふわふわした遊び人の王に自発的に「妻にしたい」と言わしめた唯一の存在…

 

 

百華は初期設定では女性だったので名前が可愛い。

 

 

王は好きなひとに(何なら全裸を)見つめられたい欲求が高めなんだけど、これって限定的にナルシストなのかな…でもそれが恋か。ふつうか?むしろ限定的露出狂?日頃から半裸なことがあるのは露出狂とは違うんだあれは服が活動の邪魔なのと洗濯がメンドクサイからで……これ本当に主人公の話してる?

見られるのが快感って自分から言っちゃうの、容姿に自信がないと無理だと思うんだよな…「自分を美しいと思ってるわけじゃない」ってセリフ、半分はウソで、自分を愛してくれる人の目を通して自分の美しさを肯定してると言うか…熱を帯びて見つめてくる相手の目にうつる自分は好きってことなのか。

 

 

王や妃の設定の多くは茶樹にまつわる古の伝説をもとにしてるけど、銀果のモテ設定は、20世紀に起きた水金亀の所有権をめぐる訴訟合戦に着想を得ている。人間に大金はたいて奪い合われる人気者…

 

 

王の初恋は百華で、それは「ぼくママとけっこんする!」と同じ現象。幼い王が“恋愛”と呼ばれる約束事を知った時、それをしたいと思った相手が百華だったのは自然なことだった。後に、百華の忠誠心は天啓によるもので、自分が個人として扱われていないことに気付いた王は彼に反抗するようになる。

 

 

夜遊びした相手に「誰にも言わないで」ってお願いしても、言いふらされちゃうことが多々…そうして百華にバレて、力を使う日だったりすると体調管理が甘いと叱られる。自分と懇意になったことを自慢にされても、秘密の共有より見栄か〜…と唯々ショック。

 

 

王って、どんなに大好きな人がいても、自分に興味持ってるひとが目の前に居たらある程度応じるし興味も持つね。その大好きな人が一緒に居た場合はそれほどでもないかも。でも雑にあしらうこともなく…やはり“求められる”ってことに弱いな。王を独占したかったら寂しがらせてはダメなんだな。

 

 

妃にも昔、王にとっての百華のような、傍に付き従う名叢がいたんだけど……(どんどん広がる風呂敷)その話も、銀果と老師、幼い王と若い百華も…こういうのは外伝扱いだね。(私の今の創作スタイルに外伝も何もない気がする…)

 

 

百華は自分に与えられた天啓に勇むあまり、王を偶像として見ていた時期があって、王が周りの期待に応えるのをやめて髪を切った時、それは百華に対する当て付けの意味が強かった。それ以後の百華は、王を一個人として誰よりも大切に思っている…結果めちゃくちゃ過保護。

 

 

王の巾着の中には携帯茶器が入ってます。ベルトにぶら下げている紐に通された謎の物体は餅茶(へいちゃ)という携帯茶葉。手で崩してお湯を差して飲みます。王は仕事で移動する時にも娯楽装備で出かけるし寄り道が激しいので、百華はツッコミに忙しい。

 

 

名叢には親がいないとか、母樹とか、死に方が違うとか、ぼかした表現を使って来たけど、王ら名叢は、それを作り出す大樹の根本の土の中から掘り出された“人の形を精巧に模した植物”であり、死ぬと体は灰になり、種子を遺す。

 

 

「岩骨花香」という、岩茶の香りを形容する言葉があって、大人の王の外見イメージはこの言葉を目指しているところがある。高身長ではなく、骨太でちょっと重そうな体。華のある顔立ち。

 

 

名叢には、天啓を持って生まれて来る者(王や妃)、生きていくうちにある日突然天啓を受ける者(百華)、生涯何の天啓もないままの者(銀果)がいる。銀果は最も制約なく生きていたが、それを劣等と捉えて腐ってしまう能力者も多く、彼には自分で標を立てて歩んでいく意志の強さがあったと言える。

 

百華への天啓には「王の肉体が成熟するまでは他者とつがうことはできない」という内容も含まれていた為、百華は王以外に守るべき存在(伴侶や実子)を持つことが許されなかった。王が大人になってそのさだめから解放されても、当の本人にその気がなく、百華は生涯独り身であった。

 

銀果の力は人間の農業の助けとなり、治水にも大層役立ち、彼は「身近な神様」として最も崇められていた能力者。思慮深く温厚な人当たりと、本人が「人間オタク」であったこともあって、専ら外交に勤しんだ。由璋が死んだ時、「皇帝は人間の中で最も短命な壮者」であると王に教えた。

 

百華は「鳥類の使役」という、4人の中で最もパッとしない能力の宿主で、長いこと自分の力の価値がわからぬまま生きてきた男だった。そこにある日突然、「もうすぐ王(おう)が誕生する、お前のさだめはその者を護ることだ」という天啓を受けた。武力が禁忌である名叢に在りながら、百華は「武人」。

 

 

そうしようと意識したわけじゃないけど、王の普段の恰好(半裸に紅い布+首飾りじゃらじゃら)はマサイ族から着想得てるかな。何せマサイ族の装飾大好きなので。