ストーリーガイド

明日の命は、今日の贅沢でできている。

CHAild -茶廻幻想譚-(ちゃいるど ちゃめぐりげんそうたん)は、中国茶をモチーフに生み出したキャラクター達の人生と、それを彩るお茶・お菓子などの嗜好品を描く中華風ファンタジー創作。死生を繰り返す王(ウアン)というひとりの男の命で繋がった、たくさんの愛のリレーを紐解く物語です。

 

CHAildのストーリーは、主人公・王が生まれてから死ぬまでを追った、大河ドラマ仕立てになっています。ここには、私のえがきたい場面を断片的に絵や漫画や文章に落とし込んだ作品を置いており、「大河の中の小さな川の流れ」を垣間見ていただければと思っています。大河としての王の物語は、いつか書籍にするのが目標です。


あらすじ

かつてこの世界は、精霊と人間が曖昧な境界線を以て共存していた。

目元に“印(いん)”と呼ばれる紋様を持つ者は、その言い伝えが現実であったことを、辛うじて近代に伝えている。

 

ある国の、とある夜深の繁華街。そこにも、精霊の名残を持ち、重大な秘密とともに生きる娘がいた。名は龍珠(ロンジュ)。盗賊の根城に身を置く彼女は、旧時代の骨董として名高い深紅のマント「大紅袍(ダーホンパオ)」を盗むため、持ち主であるふしぎな子供・王(ウアン)に近付く。しかし、王が持つ大紅袍には意思があり、昼間は蛇のように動き、王を束縛するのだという。

引き剥がすことのできない、“呪いの紅衣”。

 

何の因果か、行動を共にすることになったふたり。

龍珠は王の俗世離れした佇まいに、おのれの抱える秘密や目的を脅かされるような危惧を感じた。

 

幼さの残る顔立ちからは想像もつかぬ長い時を生きてきた男は、龍珠にその人生を語り始める。

それはいにしえのお伽話ではない。

 

誰も知らない、終わることのない、山霊王の物語。


【王の一生と登場人物の関わり早見表】

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【要点だけを押さえた相関図】

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王の旅路/現在

・最後の恋

紅衣を盗もうとした盗賊頭の情婦・龍珠(ロンジュ)。彼女には茉莉花(マリカ)というもうひとつの人格があった。生と死の狭間で揺れ動く王は、その振り子を生きることに傾けるように、彼女達に恋をする。繁華街・歓楽街を舞台に、ただならぬ秘密を抱えた三人のふしぎな三角関係、その行方は如何に。

・旅の終わり

大紅袍の謎を解き明かすため、かつての都を目指す王。彼はそこで、歴史に記された自分の姿を知り、忘れていた“愛”と再会することとなる。そして正山からは、王(おう)の帰還を望む使者・輔(ソエ)が現れ、王の出自にまつわる隠された真実を突き付ける。王が最後に選び取るものとは…



王の旅路/過去

・幼体期〜若年期

霊峰・正山(ラプサン)に生まれし山霊の主、その名は王(ウアン)。人間の病を消すことができ、それを天啓の力として生きる美しい男は、自らが辿る数奇な運命をまだ知らない。その長い生の早期には、彼の愛の原初となった相手・冥(ミイン)との出逢い、そして別れがあった。

 

 

キャラクター紹介 冥編

断片漫画 冥編

イラスト 冥編

ツイログ

冥編(1)(2)


・青年期〜一度目の死

正山から遠い都で病に伏す皇帝・由璋(ユイショウ)は、王と運命的に出逢い、死の淵から掬われる。王に贈られた紅衣・大紅袍は、感謝と信頼の証であった。ふたりは惹かれ合い、不可欠な存在として認め合うも、その別れはあまりに早く…。

長い旅路の、はじまりの物語。

 

キャラクター紹介 由璋編

断片漫画 由璋編

イラスト 由璋編

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由璋編(1)(2)(3)



・旅立ち〜二度目の死

故郷を離れ、たくさんの別れの上に立ち、尚も生きるさだめの山霊王。意思を持つ紅衣に囚われ、苦悩の只中で放浪を続けてきた彼は、逞しい弓使いの少女・寿眉(サウメイ)と出逢い、道連れる。寿眉は望まぬ婚礼を控え、「幸せ」の在処を王に問うのだった。外山(タリー)をめぐる、迷えるふたりの旅の軌跡。

 

キャラクター紹介 寿眉編

断片漫画 寿眉編

イラスト 寿眉編

ツイログ 寿眉編(1)